LIFCON &
CONVERATOR What’s 垂直搬送機？

垂直搬送機の大きな特徴は、「人が搬器の品物の搬出、搬入に直接介入せずに使用され、かつ、人が乗り込んだ状態で運転されるおそれのない構造となっている」点です。つまり人を乗せない仕様とすることで、建築基準法に定義される「昇降機」に該当しないようにしたものです。なぜあえてそうしているかと言うと、人が乗れる仕様にしてしまうと「昇降機」に該当してしまい、面倒な「確認申請」と「定期検査」が必要になってしまうからです。もちろん垂直搬送機でも保守点検は必要ですが、必ずしも「定期」である必要がない分、運用のハードルが下がります。また、荷役専用設計とすることで、荷物用のエレベータ（昇降機）に比べて、搬送スピードを高められたり、入出庫搬送装置と組み合わせて効率的なシステムを構築したりすることができます。垂直搬送機は、パレットごと入出庫すること前提とした「リフコン」（図左／1枚目）と、垂直搬送機側に備え付けらえた荷物台を連続的に循環させることで高能力搬送を可能としている「コンベレータ」（図右／2枚目）の2種があります。

垂直搬送機は、製造・加工・物流プロセスが多層的なフロアで展開される、冷蔵倉庫・チルドセンター・食品センター・ドライ倉庫・食品工場・段ボール工場等で活躍しています。それらは、建物の仕様に応じて個別的に設計、製造するため、ものづくり力はもとより、建設業者との連携や、物流動線・搬送システムを全体設計する業者との協業も必要になります。また将来的な工場や倉庫の拡張性に考慮した可変性・柔軟性の高い設備へのニーズも高く、その1つの回答として開発されたのが「スーパーリフコン」です。スーパーリフコンは、パレット搬送にも、カゴ車・カートラックでの搬送にも対応しうる「循環トレー」を装備した優れものです。フローズンセンターでの使用を想定し-30°Cにも耐える設計であるほか、高階層対応の高能力タイプでありながら、低騒音、省スペースを実現した、まさにSuperな一台です。いずれも基準製品を量産・拡販するのではなく、高効率な搬送を実現するためのソリューション力と、高度なものづくり力を必要とするプロジェクト性の高い仕事になります。エンジアリング力が試される分、やりがいも達成感も大きいことは言うまでもありません。