開発テーマは目白押し、
新しいチャレンジを
続けていきます。
常務取締役 技術本部長 西尾 英俊
インターネット販売をはじめとする通信販売の飛躍的拡大などを背景に、物流量は増え続けています。一方、少子高齢化にともなう人手不足の波は、物流業界にもひたひたと押し寄せています。ひとつには無人化がキーワードになっており、当社でも人が行う作業をロボットや搬送設備に搭載していく研究開発に取り組んでいます。たとえば扱う物が定形品ではなく、形状が異なる物を「仕分ける人」を必要とせずにパレタイズするには、AIや画像処理を用いて物の形やサイズを認識させる機能を付加します。少量多品種の物を出荷するニーズが高まっており、人の目で判断するのと同じ検知能力を持った搬送システムはすでに他社と提携したかたちで納入実績がありますが、今後すべて当社の技術で対応できるよう開発が進行中です。
物流倉庫は24時間フル稼働していることが多いのですが、さらにパフォーマンスの向上が求められています。当社は「もっと速く」「もっと処理量を増やす」ために、先進の研究開発と同時に要素技術の改善も常に行っています。ロボット開発だけでなくパッケージで搬送設備をご提供しているので、コンベアやハンドなど入口から出口までトータルな技術追究が求められているのです。また能力向上とともに長寿化、メンテナンスフリー、さらには「止めない」ことも非常に重要です。当社はトラブルを予知し事前にメンテナンスを行う予防保全のためにIoTを導入し、各種センサー、データ収集と処理、分析、通知機器などを組み合わせて、設備の状態を常に監視、把握するシステムを開発中です。
このほか、人手が必要なフォークリフトに替わり導入が増えているAGV(無人搬送ロボット)と搬送設備との連携、「止めない」テーマに関連して、万一の災害等におけるBCP対策などに取り組んでおり、新しい技術を搭載した搬送設備が生まれています。現在当社では、今後10年のロードマップが明確化され、研究開発テーマ、新製品開発についても具体的な計画が立てられています。そこには「ドローンを用いた搬送システム」「複数の軸をもった阿修羅ハンドロボット」の可能性を追究するといったユニークなテーマも含まれています。商品開発部の体制はよりいっそう強化していく方向にあります。新しいチャレンジを重ねながら、次代の搬送設備をかたちにしていきます。